光回線気づく更新 2026-09-04
停電したら家のWi-Fiは使えない——光回線が止まる条件と、モバイル側との併用にかかる月額
台風や地震のたびに「光回線があるから、災害時もインターネットは大丈夫」と考えている人がいます。ですがこの前提は、停電が起きた瞬間に崩れます。光ファイバー自体は電気を必要としませんが、それを家の中で使える形に変える機器は、すべて自宅のコンセントから電気を取っているからです。この記事では、停電したときに家のWi-Fiと光回線の電話がどうなるかを整理し、そのうえで「回線を乗り換えれば解決するのか」「モバイル側を併用するといくらかかるのか」を、当サイトの料金データから確認します。
この記事が役に立つ人
- 「光回線があるから災害時も安心」と、なんとなく思っている人
- 台風や地震の多い地域で、これから回線を選ぼうとしている人
- 在宅勤務で、停電したときに仕事をどう続けるかを一度も考えたことがない人
当てはまらない人
- すでに無停電電源装置(UPS)やポータブル電源を用意して、宅内機器につないでいる人
- 常用回線とは別の網の回線をもう1枚持っている人(この記事の結論をすでに実行しています)
- 業務上、通信が数時間止まることを許容できず、法人向けの冗長化が必要な人
停電で止まるのは光回線そのものではなく、家の中の機器
最初に押さえるべきなのは、停電時に問題になるのは「回線」ではなく「電源」だという点です。家の外から引き込まれている光ファイバーは、光の信号を通しているだけで、家庭の電気で動いているわけではありません。
一方、その信号をインターネットとして使える形に変える機器は違います。ONU(回線終端装置)、ホームゲートウェイ、Wi-Fiルーターは、いずれも自宅のコンセントから電気を取っています。これは仕様書を読まなくても、自分の家の機器の裏側を見れば確認できます。電源アダプタが刺さっている機器は、停電した瞬間に止まります。
つまり順番はこうなります。停電が起きる → 宅内機器の電源が落ちる → Wi-Fiの電波が消える → 回線設備が無事でも、家の中からはインターネットに出られない。「どの光回線を契約しているか」はこの順番のどこにも出てきません。
この記事では、機器が何分動き続けるか、通信会社の設備側にどれだけ予備電源があるかといった時間の数字は書いていません。各社の公式ページの原文を確認できた範囲を超えるためです。時間を伴う断定は、契約中の回線の公式サポートページで確認してください。
停電中に光回線の電話は使えるか
「インターネットが止まっても、電話は生きているのでは」と考える人は多いと思います。ですが光回線を使った電話サービスは、インターネットと同じ宅内機器を通っています。ホームゲートウェイに電話機をつないでいる構成であれば、その機器が止まった時点で電話も使えなくなります。
ここが見落とされやすいのは、電話機自体が小さく、電気を使っていないように見えるからです。実際には、電話の音声を光回線に載せている装置が別にあり、そちらが電源を必要としています。
この点は、セット割の条件で光電話を付けている人ほど確認する価値があります。当サイトでは、割引の適用条件になっている光電話やオプションの月額を実質月額に加算していますが、その光電話は停電時の連絡手段としては数えられない、ということです。
マンション・セット割なし・36か月・新規契約の実質月額 — 料金データから自動更新
マンションで新規契約する場合の実質月額(セット割・工事費・オプション条件込み)
- enひかり(契約期間なし)3,520円
- SoftBank 光(1ギガ・2年自動更新プラン)4,327円
- auひかり(ホーム1ギガ ずっとギガ得 / マンション タイプV 16契約以上)4,513円
上の金額は平常時のコストです。この順位は停電したときの強さとは何の関係もありません。どの回線を選んでも、家の電気が切れれば同じように止まります。
回線を乗り換えても停電対策にはならない
比較サイトを読んでいると「災害に強い回線」という言い方に出会うことがあります。ですが停電に関して言えば、光回線の乗り換えは対策として成立しません。理由は単純で、止まっているのは家の中の電源であって、事業者の設備ではないからです。
回線選びは平常時のコストで決めるのが筋です。停電対策を理由に高い回線を選ぶ必要はありません。セット割とオプション条件を込みにした実質月額はここで出せます。
実質月額で光回線を比べる光回線 実質月額シミュレータ・入力3つ・無料
順番として正しいのは、回線は平常時の月額で選び、停電への備えは別の予算で考えることです。この2つを混ぜると、対策になっていない乗り換えに毎月の固定費を払い続けることになります。
備えとして意味があるのは電源か、モバイル回線か
では何が対策になるのか。実際に選べるのは大きく2つです。
- 宅内機器に電気を供給し続ける(無停電電源装置やポータブル電源を用意して、ONUとルーターにつなぐ)。初期費用がかかりますが、毎月の固定費は増えません
- 光回線に頼らない経路を用意する(スマートフォンのテザリング、またはデータ専用の回線をもう1枚持つ)。こちらは毎月の月額がかかり続けます
多くの家庭では、まず1つ目の前に「スマートフォンのバッテリー」が来ます。停電時にスマートフォンが充電できる状態であれば、テザリングで最低限の通信は確保できます。新しい回線を契約する前に、ここが埋まっているかを確認してください。
それでも2枚目の回線を持つ判断をする場合、常用しているスマートフォンと違う網を選ばないと意味が薄くなります。停電と同時に通信障害が重なったとき、同じ網を2つ持っていても経路は1つのままだからです。IIJmioのように契約時に借りる網(ドコモ網・au網)を選べるブランドがあります。
また、ソフトバンク網には障害時に他社網へ切り替わる「JAPANローミング™」の仕組みがありますが、公式ページには接続を100%保証するものではない旨と、利用開始まで時間を要する場合がある旨が明記されています。仕組みがあること自体を、備えの完了と読み替えないでください。
月3GBでの実計算 — 料金データから自動更新
予備の回線を1枚持つ場合、小容量(3GB)でいま契約できる最安のプラン
- HISモバイル自由自在2.0(3GB)770円
- NUROモバイルバリュープラスVSプラン(3GB)792円
- IIJmioギガプラン 5GB950円
- 大手キャリアの平均的な支払い7,500円
いま月7,500円を払っていて、実際の使用量が月3GBなら、差は年 80,760 円です。すでに割引が効いていて支払いが少ない場合、この差は小さくなります。
この月額は、停電が起きても起きなくても毎月かかります。年に何日あるか分からない停電のために、12か月分の固定費を払う判断になるということは、契約前に自覚しておく価値があります。
停電が復旧したあと、ルーターが動かないとき
停電そのものより問い合わせが多いのが、電気が戻ったのにインターネットがつながらないという状態です。宅内機器は電源が突然切れた形になるため、復旧後に正しく立ち上がらないことがあります。
- 機器のランプを見る:ONUやホームゲートウェイのランプが、いつもと違う色や点滅になっていないかを確認します。取扱説明書か公式サポートページに、ランプの状態と意味の一覧があります。
- 電源を入れ直す:電源アダプタを抜き、少し待ってから挿し直します。ONU、ホームゲートウェイ、Wi-Fiルーターの順に、光ファイバー側から順番に立ち上げると状態が安定しやすくなります。
- スマートフォンのモバイル通信で切り分ける:Wi-Fiを切った状態でスマートフォンがつながるなら、問題は宅内側にあります。どちらもつながらないなら、地域全体の障害を疑って各社の障害情報を確認します。
- それでも直らないなら問い合わせる:機器の故障であれば交換になります。落雷を伴う停電の後は、機器そのものが壊れている可能性があります。
最適セレクトの管理人の判断(料金以外は意見です)
これは私の意見ですが、停電を理由に光回線を乗り換えるのは、お金の使い方として順番が違うと思います。効果が大きい順に並べると、①スマートフォンのバッテリーを切らさない、②宅内機器に電気を送る手段(ポータブル電源など)を用意する、③別の網の回線をもう1枚持つ、の順です。回線の乗り換えはこの3つのどこにも入りません。そして③は毎月の固定費が増え続けるので、在宅勤務で通信が止まると仕事にならない人以外は、②までで止めるのが現実的だと考えています。「災害に備えて高い回線に変える」は、売る側にとって都合がよく、買う側にとっては効かないというのが率直なところです。
まとめ
- 光ファイバー自体は電気を使わないが、ONU・ホームゲートウェイ・Wi-Fiルーターは自宅のコンセントから電気を取っている。停電すれば家のWi-Fiは止まる
- 光回線を使った電話も同じ宅内機器を通るため、停電中の連絡手段としては数えられない
- どの回線を契約していても結果は同じ。停電対策として回線を乗り換える意味はない
- 備えとして効くのは、スマートフォンのバッテリー → 宅内機器への給電 → 別網の予備回線、の順
- 予備回線を持つ場合は常用回線と違う網を選ぶ。ただし月額は毎月かかり続ける
- 復旧後につながらないときは、光ファイバー側から順に電源を入れ直して切り分ける
出典
- ワイモバイル「JAPANローミング™」確認 2026-08-15
- IIJmio「ギガプラン」(提供回線がドコモ網/au網から選べる旨の記載)確認 2026-08-15