スマホ代調べる更新 2026-08-15
災害時に格安SIMはつながるか——効くのは会社名ではなく、借りている回線網
台風や地震のたびに「格安SIMだと、いざというときつながらないのでは」という不安が頭をよぎる人は多いと思います。この記事では、その不安を会社名ではなく回線網の単位で分解します。格安SIMは自前の基地局を持たず大手の網を借りているので、災害時に電波を出しているのは借り元の設備です。つまり分かれ目は「大手か格安か」ではなく、どの網を使っていて、その網が倒れたときに逃げ道があるかどうかです。ソフトバンクが2026年4月に始めた仕組みの条件を、公式ページの原文で確認します。
この記事が役に立つ人
- 「格安SIMは災害に弱いのでは」という不安だけで乗り換えを止めている人
- 自分のスマホがどの回線網につながっているか、意識したことがない人
- 台風や地震の多い地域に住んでいて、通信の備えを一度見直したい人
当てはまらない人
- すでにデュアルSIMで異なる回線網を2枚持っている人(この記事の結論をすでに実行しています)
- 衛星通信や無線機など、携帯電話網に依存しない連絡手段を別に用意している人
- 通信が数時間止まることを業務上許容できず、法人向けの優先電話などが必要な人
「格安SIMは災害に弱い」は本当か——不安の正体を分解する
この不安は、事業者を「大手キャリア」と「格安SIM」の2つに分ける考え方から来ています。ですが災害時に実際に電波を出しているのは、契約先の会社ではなく基地局を持っている側の設備です。
国内で自前の携帯電話網を持っているのはドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの4つで、格安SIMはこのどれかを借りて提供しています。同じ「格安SIM」でも、借りている網が違えば災害時のつながり方はまったく別になります。逆に、大手キャリアと同じ網を借りているブランドなら、その網が生きている限り電波の届き方に会社名は関係しません。
混雑時間帯の速度低下は、災害の話とは別に格安SIM共通の注意点として存在します。この点は「格安SIMのデメリットと後悔」の記事で総務省の記載を確認して整理しているので、そちらを参照してください。
台風や通信障害の備えとして、回線網を選べるブランドがある
掲載しているブランドの中には、契約時に借りる網そのものを選べるものがあります。IIJmioのギガプランは、公式ページの基本仕様にこう書かれています。
提供回線 ドコモ網(タイプD)/au網(タイプA)
— IIJmio「ギガプラン」基本仕様
同じページでは、複数の網を持つこと自体が障害への備えになると事業者側が説明しています。
通信障害など、万が一の場合も2社の回線なら安心。eSIM でデュアル SIM を活用すればスマホ1台で2社回線持つことも!
— IIJmio「ギガプラン」
「格安SIMだから災害に弱い」のではなく、網を1つしか持っていないことが弱点という整理になります。これは大手キャリア1社だけを契約している人にも同じように当てはまります。
ソフトバンク網は2026年4月から他社網へ切り替わる仕組みを持った
自分の網が倒れたときの逃げ道として、2026年4月1日から「JAPANローミング™」が始まっています。ワイモバイルの公式ページには次のように書かれています。
災害や通信障害などによって、ソフトバンクの通信ネットワークが利用できなくなった場合に、国内の他の通信事業者※の通信網を使い、対応機種において音声通話などの通信を可能にする仕組みです。※ 株式会社 NTT ドコモ、KDDI 株式会社、沖縄セルラー電話株式会社及び楽天モバイル株式会社をいいます。
— ワイモバイル「JAPANローミング™」概要
提供のされ方は2つの方式に分かれていて、できることが大きく違います。
| 方式 | 音声通話 | SMS | データ通信 |
|---|---|---|---|
| フルローミング方式 | ◯(緊急通報110/118/119を含む) | ◯ | ◯(送受信時最大300kbps) |
| 緊急通報のみ方式 | △(緊急通報110/118/119の発信のみ可) | × | × |
ここで大事なのは、公式がこの仕組みを万能とは書いていないことです。注意事項には次の記載があります。
本サービスは、災害や通信障害などの発生時において、一人でも多くのお客さまの通信手段を確保し、救済することを目的としていますが、接続を100%保証するものではありません。
— ワイモバイル「JAPANローミング™」注意事項
- 他社と調整を経て提供されるため、即時に利用できない場合があり、利用開始まで時間を要することがあると明記されています
- 対応機種が必要で、iOS以外の一部機種ではデータローミング設定をオンにする必要があります
- 対象は4G(LTE)ネットワークで、通信速度は送受信時最大300kbpsです
- 公式自身が「固定電話・公衆電話・固定インターネット回線・00000JAPANなどの他の代替手段を合わせてご利用ください」と案内しています
「JAPANローミング™」は一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)による商標である旨が同ページに記載されています。この記事で条件を確認したのはワイモバイルの公式ページの記載であり、他社が同種の仕組みをどう提供しているかは各社の公式ページで別途確認してください。
月3GBでの実計算 — 料金データから自動更新
別の回線網をもう1枚持つ場合、小容量(3GB)でいま契約できる最安のプラン
- HISモバイル自由自在2.0(3GB)770円
- NUROモバイルバリュープラスVSプラン(3GB)792円
- IIJmioギガプラン 5GB950円
- 大手キャリアの平均的な支払い7,500円
いま月7,500円を払っていて、実際の使用量が月3GBなら、差は年 80,760 円です。すでに割引が効いていて支払いが少ない場合、この差は小さくなります。
備えとして2枚目を持つ場合、常用回線と違う網を選ばないと意味が薄くなります。同じ網を2枚持っても、その網が倒れれば同時に使えなくなるためです。
使うGB数と通話時間を入れると、いまの契約と各プランの差額が出ます。2枚目を足す場合は、常用回線と別の網のブランドで比べてください。
自分の使い方で料金を計算する格安SIM料金シミュレータ・入力3つ・無料
台風シーズンに確認しておくこと
- 自分の回線がどの網かを確認する:契約中のブランドが借りている網(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天)を、各社の公式ページで確認します。IIJmioのように契約時にタイプを選ぶブランドでは、自分がどちらを選んだかを会員ページで確認してください。
- 家族で同じ網に集中していないか見る:家族全員が同じ網だと、その網の障害で全員が同時に連絡手段を失います。1人だけでも別の網にしておくと、家族間の連絡経路が残ります。
- 2枚目を持つなら別の網を選ぶ:デュアルSIM対応の端末なら、常用回線と違う網の小容量プランを1枚足せます。金額は上の計算機で確認できます。
- 端末側の条件を確認する:JAPANローミングは対応機種が必要で、対象は4G(LTE)です。ワイモバイル公式ページの対応機種欄で自分の機種を確認できます。
最適セレクトの管理人の判断(料金以外は意見です)
これは私の意見ですが、災害への備えとして意味があるのは「大手キャリアに戻すこと」ではなく、「自分が使っている網を把握して、必要なら違う網をもう1枚持つこと」だと思います。大手キャリア1社だけの契約は、料金が高いうえに網も1つという状態で、備えとしては格安SIM1枚と変わりません。逆に、格安SIMを常用しながら別の網の小容量プランを1枚足すほうが、費用を抑えたまま経路を2つにできます。ただし2枚目の維持費は毎月かかり続けるので、その金額を払う価値があるかは自分の生活圏と仕事の事情で判断してください。
まとめ
- 災害時に電波を出しているのは契約先の会社ではなく、基地局を持つ側の設備。分かれ目は「大手か格安か」ではない
- 国内の網はドコモ・au・ソフトバンク・楽天の4つ。格安SIMはこのどれかを借りている
- IIJmioのように、契約時にドコモ網とau網から選べるブランドがある
- ソフトバンク網は2026年4月1日から、障害時に他社網へ切り替わるJAPANローミングを提供している。ただし公式は接続を100%保証していない
- 備えとして効くのは、常用回線と違う網をもう1枚持つこと。同じ網を2枚持っても経路は1つのまま
出典
- ワイモバイル「JAPANローミング™」確認 2026-08-15
- ワイモバイル「大切なお知らせ ワイモバイルの月額基本使用料が変わりました。」(JAPANローミングの提供開始日の記載)確認 2026-08-15
- IIJmio「ギガプラン」(提供回線とデュアルSIMの記載)確認 2026-08-15