AI・LLM知る更新 2026-08-22
gpt-5.6-sol が値下げ。ただし公式ページに期限が書いてあります
OpenAI が gpt-5.6-sol の単価を引き下げました。短文脈は入力が100万トークンあたり5→4ドル、出力が30→20ドル。長文脈(20万トークン超)は入力10→8ドル、出力45→30ドルです。ただし公式の料金ページには「promotional pricing is available at least through November 21, 2026」と書かれていて、7月の luna・terra の値下げとは性質が違います。この記事では、期限つきの安さをどう扱うかを整理します。
この記事が役に立つ人
- gpt-5.6-sol を常用していて、月の請求が数万円を超えている人。出力側が3分の1近く下がるので影響が直接出ます
- 20万トークンを超える長い入力を投げている人。長文脈の出力が45→30ドルで、下げ幅は短文脈より大きいです
- フラッグシップ級を Claude Opus 5 や gpt-5.5 と比べていて、単価が判断材料に入っている人
当てはまらない人
- 軽量モデル(luna / nano / Haiku)だけで回している人。今回の改定はこれらに及びません
- 3か月より長いスパンで単価を固定して見積もりたい人。期限つきの価格なので、見積もりの前提が11月に変わり得ます
- 月の請求が数百円規模の人。差額より移行や再検証の手間の方が大きくなります
何が下がったのか
公式の Standard 料金表の sol の行は、いま入力4ドル・キャッシュ入力0.40ドル・キャッシュ書き込み5ドル・出力20ドル(短文脈)です。前日まで同じ欄は入力5ドル・出力30ドルでした。
見落としやすいのは長文脈側です。20万トークンを超える入力に適用される欄は出力が45→30ドルで、率でいえば短文脈より大きく下がっています。長い仕様書やログをまるごと投げる使い方をしているなら、こちらの方が効きます。
出力単価の安い順 — 料金データから自動更新(1ドル154.25円で換算)
現在の単価(出力の安い順)
| モデル | 提供元 | 入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| GPT-5.6 luna | OpenAI (GPT) | 31円 | 185円 |
| GPT-5.4 nano | OpenAI (GPT) | 31円 | 193円 |
| GPT-5.4 mini | OpenAI (GPT) | 116円 | 694円 |
| Claude Haiku 4.5 | Anthropic (Claude) | 154円 | 771円 |
| Gemini 3.6 Flash | Google (Gemini) | 231円 | 1,157円 |
| Gemini 3.5 Flash | Google (Gemini) | 231円 | 1,388円 |
単位は100万トークンあたり。日本語は英語より多くトークンを消費するため、同じ文章量でも請求は上振れします。
この表は料金データから自動で作っています。記事を書いた時点の値ではなく、いまの値です。11月に価格が戻れば、この表も戻ります。
7月の値下げとは性質が違う
7月末に luna と terra が下がったときは、料金表に期限の注記がありませんでした。今回は同じページに「GPT-5.6 Sol’s promotional pricing is available at least through November 21, 2026.」と書かれています。「at least through」なので延長される可能性はありますが、いつまで続くかは公式が約束していません。
つまりこの安さは、恒久的な単価の引き下げと同じようには扱えません。3か月で終わる前提の試算と、続く前提の試算は結論が変わります。
期限つきの安さを試算にどう入れるか
「安くなったから移行する」と決める前に、期限が来たときに何が起きるかまで見ておくのが実務的です。
- いまの請求で、出力側の比率を出す:今回の下げ幅は出力が中心です。出力が支配的なら効果は大きく、入力が支配的ならキャッシュ設計を見直す方が効きます
- 値下げ後と値下げ前の両方で月額を出す:11月に戻った場合の額も同時に出します。戻ったときに耐えられない前提なら、そもそも移行の判断材料になりません
- 戻ったときの退路を決めておく:価格が戻ったら terra や他社の中位モデルに落とすのか、そのまま払うのかを先に決めます。決めていないと、11月に慌てて品質検証なしで乗り換えることになります
- 長文脈を使っているかを確認する:20万トークンを境に単価が変わります。境界をまたぐリクエストが多いなら、平均単価は表の数字どおりにはなりません
リクエスト数と入力・出力の長さを入れると、日本語のトークン換算で月額を円建てで出せます。モデルを入れ替えたときの差額もそこで比べられます。
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この改定が影響しない範囲
都合のいい話だけ書くのは不誠実なので、変わっていない部分も挙げます。
- gpt-5.5 は据え置きです。入力5ドル・出力30ドルで、改定前の sol と同じ水準のまま残っています
- Anthropic・Google の単価は今回動いていません。Claude Opus 5 は入力5ドル・出力25ドル、Claude Fable 5 は入力10ドル・出力50ドルで確認時点も同じです
- 軽量モデルの相場は変わりません。luna(入力0.20ドル・出力1.20ドル)や nano を使っている人にとって、今回の改定は関係しません
- ChatGPT の Pro / Plus / Business の料金は対象外です。動いたのは API の従量単価です
最適セレクトの管理人の判断(料金以外は意見です)
私の考えでは、この値下げは「移行の理由」ではなく「試算をやり直す理由」です。出力が3分の1近く下がるのは無視できない額ですが、期限が公式に書かれている以上、11月に戻る前提の月額も並べて見ないと判断材料になりません。逆に言えば、戻ったときの額でも払えるなら、いま乗り換えて3か月分だけ得をするのは合理的だと思います。危ないのは、期限つきの単価を前提に長期の見積もりを作ってしまうことです。ここは意見ですが、期限が書かれた価格は「いまの実額」として扱い、「これからの相場」としては扱わないのが安全だと考えています。
出典
- OpenAI API Pricing(公式)確認 2026-08-22
- Anthropic 料金(公式)確認 2026-08-22
- Gemini API 料金(公式)確認 2026-08-22