トレンド調べる更新 2026-08-21
速度1位はソフトバンク、安定1位は楽天モバイル。実測の順位は料金の順位と一致しない
米Ooklaが2026年上半期(1〜6月)のスピードテスト・コネクティビティ・レポートを公開しました。速度と総合はソフトバンク、安定性は楽天モバイル、5G接続率はドコモ、利用者評価はauが1位で、部門ごとに勝者が分かれています。「格安=遅い」で乗り換えを止めている人にとって重要なのは、料金が安い側にいる楽天モバイルが安定性の部門で1位を取っているという点です。この記事では実測の順位を出典付きで整理し、それが料金の順位とどうずれるのか、そしてこのデータで何が言えて何が言えないのかを分けて書きます。
この記事が役に立つ人
- 「安い回線に変えたら遅くなるのでは」と思って乗り換えを止めている人。判断材料が事業者の広告しかない状態から抜けられます
- 楽天モバイルを候補に入れているが、品質の評判が読めなくて決めきれない人
- 速度を理由に大手キャリアを続けているが、その理由が本当に自分に当てはまるか確かめたい人
当てはまらない人
- IIJmio・mineo などのMVNOの速度を知りたい人。このレポートはMNO4社の集計で、MVNOやサブブランドの内訳は示されていません
- 特定の建物・特定の路線での電波を知りたい人。全国集計の中央値では答えられません
- すでに実額が3,000円台に収まっている人。乗り換えで下がる幅は小さくなります
1位が4社に分かれている。「どこが一番いいか」に単一の答えはない
まず結果を正確に押さえます。このレポートで注目すべきなのは特定の1社が勝ったことではなく、部門ごとに1位が入れ替わっていることです。
| 部門 | 1位 | 数値 |
|---|---|---|
| 総合(接続性スコア) | ソフトバンク | 70.94 |
| 5Gの接続性スコア | ソフトバンク | 67.52 |
| 速度(ダウンロード中央値) | ソフトバンク | 73.78 Mbps |
| 速度(5Gダウンロード中央値) | ソフトバンク | 153.55 Mbps |
| 安定性(モバイル) | 楽天モバイル | サンプルの89.9%が基準値を満たす |
| 安定性(5G) | ソフトバンク | サンプルの83.9%が基準値を上回る |
| 5G接続率 | ドコモ | 利用者の51.4%が5Gに接続 |
| 動画体験 | ソフトバンク | 78.97 |
| ゲーム体験 | 楽天モバイル | 84 |
| 利用者評価(アンケート) | au | 3.29(5点満点。次点のソフトバンクは2.94) |
接続性スコアは速度だけでなく、ブラウジングの速さや動画のストリーミングなどの指標を組み合わせて算出されたものです。つまり「回線の総合力」に近い指標で、ここではソフトバンクが1位でした。
一方で、通信が安定して基準を満たす割合では楽天モバイルが1位、ゲーム体験でも楽天モバイルが最高点です。速度の絶対値と、途切れずに使えるかは別の指標だということが、この結果に表れています。
料金の順位はこれと一致しない。そこが判断の分かれ目になる
ここが本題です。実測で総合1位を取ったソフトバンクは、料金の安さで1位ではありません。逆に安定性とゲーム体験で1位を取った楽天モバイルは、料金では安い側にいます。
「安い回線は品質が悪いから大手を続ける」という判断は、この一次データの上では成り立ちにくくなっています。少なくとも、料金の順位から品質の順位を推測することはできません。
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- 日本通信SIM合理的みんなのプラン(20GB)1,390円
- LIBMOなっとくプラン(20GB)1,991円
- IIJmioギガプラン 25GB2,000円
- 大手キャリアの平均的な支払い7,500円
いま月7,500円を払っていて、実際の使用量が月20GBなら、差は年 73,320 円です。すでに割引が効いていて支払いが少ない場合、この差は小さくなります。
上の並びと、先の実測の並びを見比べてください。順位が一致していないこと自体が、この記事で一番言いたいことです。速度で選ぶ人と料金で選ぶ人が同じ結論にたどり着かないのは当然で、だからこそ「自分がどちらを優先するのか」を先に決める必要があります。
あなたが実際に使っているGB数と通話時間を入れると、いまの支払いとの差額が年額で出ます。品質の話に進む前に、動く価値がある金額かどうかをここで確かめてください。
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速度で本家ソフトバンクを選ぶなら、光回線とセットの総額まで見る
「総合1位のソフトバンクにする」という判断はあり得ます。ただしその場合、スマホ単体の月額だけを見ると総額を読み損ねます。ソフトバンクの料金はおうち割(光回線とのセット割)を前提にした水準になっているためです。
おうち割の適用条件には指定オプション(月550円)の加入が含まれます。auスマートバリューならひかり電話(月550円)が条件です。この費用を足さずに「セット割で月◯円引き」だけを見ると、実態より安く見えます。当サイトの光回線シミュレータは、この条件オプション料を月額に加算して計算しています。
スマホのキャリアを選び直すなら、セット割の条件オプション込みの実質月額で光回線を並べ直したほうが総額が読めます。キャッシュバックは受け取り条件を原文で確認できたものだけを計算に入れています。
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このデータで言えないこと(重要)
都合のいい部分だけ使うのは不誠実なので、限界を明示します。このレポートで言えないことは次の通りです。
- 格安SIM(MVNO)の速度は分かりません。報じられているのはMNO4社の比較で、IIJmio・mineo・日本通信SIMなどの内訳は示されていません。「楽天モバイルが安定性1位」は「格安SIM全体が速い」の根拠にはなりません
- ワイモバイル・UQ mobile などサブブランドの内訳も示されていません。親会社の集計に含まれているのか別集計なのかは、記事本文からは判別できません
- 中央値は「最大速度」ではありません。中央値が73.78Mbpsということは、半分の測定がそれより遅いという意味です。広告の「最大◯Gbps」とは別の数字です
- あなたの場所での速度は分かりません。全国のSpeedtest利用者の測定を集計した値なので、自宅・職場・通勤経路の電波状況は別問題です
- 測定はSpeedtestを自発的に使った人のデータです。遅いと感じた人が測る傾向があるなど、母集団の偏りは原理的に排除できません
特に1点目は重要です。格安SIMを検討している人がこのレポートから受け取れるのは「楽天モバイルという安い選択肢が、品質の部門で1位を取っている」という事実までで、MVNO全体の速度が保証されたわけではありません。MVNOの昼休みの速度低下は、帯域を借りて提供している構造から来るもので、このレポートでは扱われていません。
では何を根拠に決めるか
- 1. まず金額の差を確認する:品質を悩む前に、動いて下がる金額を確かめます。年額の差が小さいなら、そもそも品質のリスクを取る必要がありません。
- 2. 自分が「速度」と「途切れないこと」のどちらで困っているかを決める:動画とSNSが主なら安定性、大きなファイルのやり取りが多いなら速度です。この2つは別の部門で1位が違います。
- 3. 候補を2〜3社に絞ってから、その回線の実測を調べる:全社を横並びで比べても決まりません。金額で残った候補についてだけ、実測と自分の生活圏を照らします。
- 4. 電波は自分の生活圏で確かめる:全国の中央値は候補を絞る道具で、最終判断の道具ではありません。各社のエリアマップと、可能なら日割りのプリペイドやトッピングで実地に確認します。
最適セレクトの管理人の判断(料金以外は意見です)
私の考えでは、このレポートの一番の使いどころは「大手を続ける理由が速度だと思っている人が、その思い込みを点検すること」です。速度で1位を取ったのはソフトバンクですが、安定性とゲーム体験で1位なのは料金の安い楽天モバイルでした。つまり「高いほうが品質がいい」は成立していません。一方で、このレポートをMVNOの速度の根拠に使うのは無理があります。私は、金額の差を先に確かめて、それが年間で数万円になる人だけが品質の検討に進めばいい、という順番を勧めます。逆に品質から入ると、比較が終わらないまま先送りが続きます。あくまで意見です。
まとめ
- Ooklaの2026年上半期レポートは、部門ごとに1位が4社に分かれた。総合と速度はソフトバンク、安定性とゲーム体験は楽天モバイル、5G接続率はドコモ、利用者評価はau
- 料金の順位と実測の順位は一致しない。料金の安い楽天モバイルが安定性で1位を取っている
- ソフトバンクを速度で選ぶ場合、おうち割の条件オプション(月550円)を含めた総額で見ないと実態より安く見える
- このレポートはMNO4社の集計で、MVNOやサブブランドの内訳はない。格安SIM全体の速度の根拠には使えない
- 中央値は最大速度ではなく、あなたの場所の速度でもない。候補を絞る道具として使う
- 順番としては、金額の差を先に確認し、動く価値がある人だけが品質の検討に進む